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最新号HASEGAWA LETTER No.41

2023年HASEGAWA LETTER 41号の年間テーマは「“幸せ”〜五感からのちょっとした贈り物〜」です。新型コロナウイルスの脅威の中、ライフスタイルの変化により“幸せ”の質や感じ方が変わってきたように思います。しかし、いつの時代でも私たちは五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)からの“贈り物”として、 “幸せ”を感じているのではないでしょうか。香りを中心とした共感覚・五感から、どんな“幸せ”が生まれるのか。最前線の研究やレポートから“幸せ”について考えます。

Library

HASEGAWA LETTER No.38(2019年発行)以降に掲載された長谷川香料の研究員による技術研究レポートをご覧いただけます(一部準備中)。併せて、創刊号(1994年発行)からの掲載記事については、テーマ一覧をご案内しています。

香りの用語解説

香りや香料の専門的な言葉や技術については、あまりなじみがないかもしれません。香りの専門分野で用いられている用語や香料技術など、一つひとつにフォーカスを当てて図解します。香料の不思議な世界をのぞいてみませんか。

About

HASEGAWA LETTER onlineは、長谷川香料(株)がお届けする香りと香料の情報サイトです。
1994年創刊以来変わらぬ「香り・香料への想い」を伝えます。

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<3分でわかる解説>心が喜ぶ香り ラベンダーのリラックス効果
 「香り」は心理面からの解決策の一つになると考えられる。特に、「ラベンダーの香りを嗅ぐと気持ちがリラックスする」といったイメージをもつ人も多い。しかしながら、たとえ同じ香りであったとしても、嗜好性の違いにより嗅いだときの印象を心地よく感じる人もいれば、不快に感じる人もいる。リラックス効果を追究するには、香りの嗜好性を考慮することが重要となる。そこでラベンダー精油のリラックス効果をより詳細にすることを目的に、ラベンダー精油の香りの嗜好性に着目した場合のリラックス効果を検証することにした。
 ラベンダー精油の香りを嗅いだ際の心理的リラックス効果を鼻部皮膚温度計測により可視化した。ラベンダー精油の香りを嗅いで、心理的リラックス効果を得るためには、その香りを好きであるという前提条件が必要であることがわかった。また、当社独自のツールであるAroma Rainbow®を用いて、ラベンダー精油の香りに合致する色を選択させたところ、ラベンダーの香りが好きな人は明るい紫を、嫌いな人は暗い紫を選ぶ傾向にあった。香りの嗜好性と心理的なリラックス効果などを可視化することで、香りのイメージと効果を一致させることが可能となり、消費者が「また購入したい」と思えるような、真に満足するモノづくりに貢献できると考える。
<3分でわかる解説>おいしい料理
 「おいしいものを食べると幸せを感じる」と、皆さんよくおっしゃいます。生理学的には、血糖値の上昇で満腹中枢が刺激されるからとか、さまざまな脳内物質が分泌されるからなどの説明がいろいろなされているようです。しかし、料理を作る立場からすると、それだけでは解決できないものがあるように思います。
 皆さんはどんなものを食べたときに「おいしい!」と感じますか? 食べ慣れたものを食べたときですか?
まったく新しい味の食べ物に出会ったときですか?
子どもの頃によく食べたものに再会したときですか?
大好物のお菓子や料理?
SNSで評判になったもの?
 「おいしい!」という言葉にはきっとその人その人のいろんな想いが詰まっているのだと思います。料理人の私は、自分の目指すベストの味まで仕上げた料理をお出しします。召し上がっていただいた方から「おいしい!」という言葉が引き出せるかどうか、そこには食べる側と作る側のせめぎ合いがいつもあるのかもしれません。
 「おいしい料理」とは何なのか、「おいしい料理」がなぜ幸せ感につながるのか、ここでは料理人の視点から考えてみました。
 もちろん、決して簡単には答えが出ない問いであるとわかりつつです。
<3分でわかる解説>クロワッサンの世界
 クロワッサンはオーストリア・ウィーンで誕生し、それがフランスに渡り、現在の形に進化を遂げた。そんなクロワッサンであるが、今や、日本中どこに行っても食べることができるくらい、日本人にとってもなじみ深いものとなっており、人々を魅了している。
 「クロワッサン」について皆さんはどのようなものをイメージするだろうか。一枚一枚の美しい層が特徴的な見た目やつい手に取りたくなるようなおいしそうな焼き色。一口噛めば、外側はサクサク、ホロホロ、内側はしっとりとした食感と口いっぱいに広がる、バターのジュワッと感じるほどの濃厚な味わいや芳醇な香り、そこからくる贅沢感…。私は、クロワッサンにはこのように五感を刺激するおいしさがあり、そこが人々を魅了し、食べる人に「喜び」や「幸せ」をもたらす要因になっていると考えている。
 では、クロワッサンのおいしさはどのようにつくられるのか?今回は、おいしさの要素として重要な「食感」と「香り」に着目し、クロワッサンの製造工程を見ていった。まず、クロワッサンはパンのように発酵工程を経ることで、しっとりとした食感や風味、香りがつくられる。また、パイのように油脂を折り込むことで、バターなどの油脂の芳醇な香りと味わいが生まれる。さらには、焼くことで製品の形や美しい層のある見た目、心地よい食感、甘香ばしい香りが生み出される。製造工程の相乗効果により、クロワッサンのおいしさとなり、人々を魅了する製品になっていることが考えられる。
 ベーカリーの店頭には、さまざまなクロワッサンが売られており、つくり手のこだわりを強く感じることができる。皆さんも、これを機に自分の好みのクロワッサンを探してみては?また、昨今の世界的な情勢を考えると、ストレスを感じることが多い。こんなときだからこそクロワッサンを食べることで幸せを感じてみてはどうだろうか。
<3分でわかる解説>五感からの幸せ
 ダイアログ・イン・ザ・ダーク 。暗闇の中での対話という意味である。漆黒の暗闇の中では、視覚以外の感覚が研ぎ澄まされるために普段よりも感覚の拡張が起きる。足裏には触感が伝わり、音や香りに集中していくと実に豊かな世界へと導かれる。暗闇を案内する人たちは、視覚障害者。彼らの頭の中には地図がある。それは平面の二次元でなく、立体的な三次元の地図だそうだ。その地図に聴覚、触覚、嗅覚を合わせて駆使しながら外を歩く。五感をバランスよく使うことで、感じる力も高まる。時には手のひらにある画面から目を離し、視覚に頼る生活を見直して五感を育む時間を作ってはどうだろう。
<3分でわかる解説>赤ちゃんの匂いと体臭の不思議
 人間にとって嗅覚は、視聴覚の発達に伴いとかく軽視されがちな感覚です。しかし、一方で、私たちは、自分たちをとりまくあらゆる生活場面において、香りが愛おしさや心地よさをもたらすことや、記憶と深く結びついていることも知っています。昔、あるワークショップで、輪になって座ってもらった20人のお母さんの周りを目隠しした小学生が歩いて回り、自分のお母さんを匂いだけで当てられるかというアクティビティをしました。するとほぼすべての子供が、自分のお母さんを探し当てることができました。最新の科学研究の世界でも、男性が排卵期の女性の香りを好むことや、子供を産んだ女性が新生児の着た産着の匂いを快く感じ、さらに脳内の報酬系に関わる領域が活性化されるということが明らかになっています。つまり、私たちは最も身近な匂いである体臭を知らず知らずのうちにコミュニケーションのツールとして使っているのです。
 東京大学大学院農学生命科学研究科生物化学研究室では、人と人のコミュニケーションを豊かにする香りの探究を行っており、そのキーとなる成分が体臭にあるのではないかと仮説を立ててさまざまな研究を進めています。最新の研究では、世代を問わず多くの人がほっとすると答える“赤ちゃんの匂い”を特定し、その匂いを嗅ぐことでお母さんの愛情ホルモン(オキシトシン)が上昇することが分かりました。これは、赤ちゃんの体臭中の特定の成分が母子間コミュニケーションに果たす役割を世界で初めて明らかにした重要な知見といえます。このように、ヒトが本来持っている体臭の中から、私たちがポジティブになる香りを見いだすことができれば、香害や化学物質過敏症といった問題を気にすることなく、その香りを空間の香りデザインや香り製品に用いることができると期待しています。

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