多彩なユズの香り
~状態によって変わるユズ~
- < 3分でわかる解説 > 多彩なユズの香り
- ユズは日本の伝統的な香酸柑橘の一つである。その香りの魅力は日本にとどまらず、食でも香粧品でも世界で知られるようになってきた。ユズの香りの魅力についての研究はこれまで果皮を傷つけて得られる果皮油に関するものが中心であった。生活の中で感じるユズの香りに目を向けると果皮を傷つけた状態だけではないことに気が付いた。ユズが置かれた一帯が華やかな香りになったり、冬至にゆず湯で癒やされたりしたことがある方も多いのではないだろうか。今回はそういった状態に注目し、果皮を傷つけない丸ごと(以下:ホール)のユズが置かれた空間とゆず湯の香りを研究することとした。
果皮油の香りと比べるとホールの香りはフルーティで明るく、ゆず湯の香りは柔らかく温かい感じがして、同じユズの香りであるが、印象は異なる。分析を行った結果、大きな成分のバランスは異なるものの、果皮油の研究で発見したユズらしさに寄与するYUZUNONE®などの重要成分はどの状態でも存在することを確認した。これらの成分が存在することで、状態により印象が変わるものの、ユズの香りと認識できるのだといえる。
また家庭で行うゆず湯を想定し、さらに研究を進めたところ、ユズを入れた後の経過時間やユズの状態の違いにより香りが異なることもわかった。わが家のゆず湯はどれに当てはまるのか、どの状態のゆず湯が好みなのか、考えながら楽しむのも一興である。
どの状態のユズも魅力的な香りである。それぞれの状態を研究することによりユズの魅力を再認識し、多彩なユズの香りを提供できるようになった。