健やかな素肌を保つ革新的スキンケア
~多価アルコール法を用いたサイズ制御
リポソームの調製~
- < 3分でわかる解説 > 健やかな素肌を保つ革新的スキンケア
- 最近何かと話題のリポソーム。化粧品のうたい文句として、目にする機会が増えてきたように感じる。リポソームとは、生体膜と同様の成分でつくられたナノサイズのカプセルで、医薬品・化粧品・食品などに使われているものである。リポソームを用いた化粧品では、美容成分の効果感を高め、肌バリア機能の補強、高保湿性、「しっとり」と「さらさら」を両立した 魅力的な使用感といった数々のメリットが生まれる。しかし、これらの機能発現のメカニズムについてはまだわかっていないことが多い。またリポソームは製造する際に複雑な工程と高い技術を必要とすることから、どちらかというと高級な製品向けの製剤技術として認識されていた。
私たちが開発したリポソーム技術は、界面活性剤などの副原料を必要とせず、特殊な装置を使わずに安定性の高いリポソームを調製できることが特徴である。今回の検討では、リポソームの調製プロセスを検証することで、同一組成でありながら、リポソームの粒径を制御できることを見いだした。さらに粒径の異なる試料を実際に肌に塗布し、粒径の大小で肌に感じる感触が異なることを確認した。今回の検討により、使用目的に合ったタイプのリポソームを簡便に調製することができる可能性が示されたと考える。
私たちは開発したプレリポソーム製剤をNANOLYS®と名付け、長谷川香料の製品としている。NANOLYS®は、単独で、肌バリア機能の改善や抗炎症作用といった敏感肌に最適な有効性をもつ高機能なリポソームを簡便に調製できることが特徴である。スキンケア・ボディケア・ヘアケア製品など、幅広い化粧品に応用可能なことから、より多くの肌悩み、毛髪悩みを抱えている方のお役に立てることができれば幸いである。