HASEGAWA LETTER 2022 年( No.40 )/ 2022.11

THトピックス

香りの技術による
豊かな社会づくり ~香料 未来への架け橋となるために~

長谷川香料株式会社取締役兼専務執行役員
サステナビリティ委員会委員長 中村 稔

近年、気候変動を発端とする自然災害が増加しており、さらに新型コロナウイルスの世界的な蔓延など、世界が抱える問題は複雑かつ多岐にわたり、国や企業という従来の枠組みでは解決が困難な状況となっています。このような環境の中で、人々の価値観は物質的豊かさの追求から持続可能な社会の実現へと変化してきました。

HASEGAWA LETTER onlineでは、「持続可能な社会」を実現するための道しるべとなるSDGsを2022年のテーマにいたしました。SDGsに関する各専門分野の方々の寄稿、そして社会課題の解決を起点とした製品開発や研究などの当社の取り組みを紹介してきました。

香料業界においても世界の変化に向き合うため、さまざまな取り組みを行っており、長谷川香料では、国連の持続可能な開発目標(SDGs)を念頭に、香料の国際的な団体であるIFRA(国際香粧品香料協会)とIOFI(国際食品香料工業協会)が発表した「より持続的な未来を約束するサステナビリティ憲章」に署名しています。この香料業界のサステナビリティに関する国際的な枠組みに沿って、当社はマテリアリティ(重要項目)の選定と、それを踏まえたCSR方針を策定するとともに、SDGsの課題解決に向けた施策を事業戦略に反映し推進しています。

気候変動では天然原料の収量や品質の低下、自然災害では施設・設備の損壊やサプライチェーンの断絶による事業活動の中断など、さまざまなリスクをもたらします。香料業界においては、気候変動による耕地減少や人々の環境意識・健康意識の向上に伴い、今後開発される代替原料を用いた食品においしさをもたらすためにフレーバーの需要が増加する可能性があります。当社は気候変動をリスクとしてだけではなく事業機会であるとも捉え、世界的な人口増加によって引き起こされる食糧問題の解決と環境への影響の軽減などを目指し、「消費量の多い食資源の代替品開発と使用量削減」を香料開発テーマと定めて成果を上げています。

また、2022年3月に「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言」への賛同を表明し、気候変動リスクの分析結果を開示しています。その過程で認識した気候変動がもたらす影響と課題を香りの技術を使って解決し、豊かな社会づくりへの貢献と持続的成長の実現を目指します。

今後も、HASEGAWA LETTER onlineは、社会が抱える課題解決に向けて、さらに香料・香りに関する情報を発信してまいります。

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