香りの用語解説

随時、香りに関する用語解説を追加していきます。

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天然香料

自然の恵み、香りのエッセンス。

天然香料

香料は飲食品に使用されるフレーバーと、化粧品、トイレタリー製品などに使用されるフレグランスがあります。
そのフレーバーとフレグランスは調合香料とも呼ばれ、天然香料と香料化合物(通称:合成香料)を調合して創られています。

天然香料
天然香料は動植物のにおい成分を抽出したものです。歴史的には食物や部屋、衣類や身体への香りづけの目的以外にも、薬用、防腐など幅広い用途に使用されてきました。天然香料の定義は国や用途によってさまざまですが、ここでは植物由来原料から水蒸気蒸留法、圧搾法、溶剤抽出法などを使ってにおい成分を抽出することで調製される香料について説明します。天然香料の原料となる植物は非常に多様で数百種類もあるといわれており、花や葉だけでなく植物のさまざまな部位を原料としています(下図)。

天然香料の役割
製造された天然香料の一部、例えばバニラエキスやヒノキオイルなどは、そのまま飲食品や洗剤などの生活用品に使用されている場合があります。また調合香料の原料としても使用され、自然な深みや余韻を付与することや、各香料原料のバランスを調和するなどの効果もあります。香気分析の技術が進歩した今日においても天然香料のもつ自然で複雑な香気特徴を調香で再現するのは難しいことから、フレーバリストやパフューマーにとって天然香料は不可欠な素材です。

天然香料は、原料となる植物の生育環境や気候条件、病虫害などの影響によって、品質、供給量、価格などに大きなばらつきが発生するリスクがあります。香料メーカーは、高品質で安定した調合香料を供給するために、天然香料の保全や研究開発への挑戦を続けています。

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