HASEGAWA LETTER 2025 年( No.43 )/ 2025.11

THトピックス

香りと多様性 ~広がり続ける香りの世界~

長谷川香料株式会社執行役員
総合研究所長 西本征弘

現代社会において「多様性」は単に流行の言葉にとどまらず、私たちの生活のあらゆる側面において本質的なテーマになっています。価値観の多様化はライフスタイルや文化、さらには科学技術にまで深く影響を及ぼしています。

2025年のHASEGAWA LETTER onlineでは、多様性をキーワードに香りに関する技術に対しさまざまな視点からのアプローチを試みました。

香りは日常生活の中で個性を演出する要素として、またリラックス効果をもたらすなど重要な役割を担っています。さらにさまざまな文化や価値観が交差し時代とともに進化を続けています。香りの多様性が生み出す新しい体験は、私たちの感情や思考に多面的に作用し、文化的価値の再定義を促しています。

食生活においても、香りは重要な役割を果たしています。人々の嗜好が多様化し、飲食のシーンが変容する中で、香りは食材や料理を引き立て、多様なニーズに応える手段として再評価されています。
さらに香りに関する技術は食糧問題をはじめとした社会課題改善にも大きな可能性を秘めており、日々進歩を続けています。

当社では、こうした香りの可能性を追求するために、独自の取り組みを続けています。例えば「睡眠に対する香りの影響」や「養殖用飼料への香料活用」、そして「風味と情緒の関係性」など、多角的な視点から香料技術の可能性を常に追い求めています。これらの挑戦を通じ、香りが単なる嗜好品にとどまらず、文化と技術が融合し新たな価値を創出する存在として、ますますその重要性を増していることを実感しています。

今後も、香りがもつ多様性とその無限の可能性をさまざまな角度から探求するとともに、多様な価値観が調和する社会への貢献を目指し、積極的に情報を発信してまいります。

他の記事を読む