随時、香りに関する用語解説を追加していきます。
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GC-MS
におい物質の集合体を分離し、化合物の構造を調べる。
GC-MS(ガスクロマトグラフ-質量分析計)は、におい分析において最も頻繁に使われる装置です。
食品や花のにおいの中には数百というにおい化合物が数ppm(100万分の1)から数ppt(1兆分の1)という低濃度で含まれています。これらの化合物の一つひとつがどのような構造をもっているのかを知るためには欠かせません。
GC▶におい化合物を分離する
においの濃縮物をGC(ガスクロマトグラフ)に注入すると、におい化合物が注入口で気化され、カラムの中を移動しながら液相への分配を繰り返しながら徐々に成分が分離され、MS(質量分析計)に到達します。
GCとMSをつなぐカラムの長さは15 m~60 m、内径が1 mm以下という細くて長いものです。その内壁には、におい化合物を保持しやすい液相がコーティングされています。におい化合物は、カラムの中を流れるヘリウムや水素などのガス(キャリアガス)によって移動し、GC自体はカラムに熱をかけるオーブンのような構造になっています。
MS▶におい成分の情報を得る
MSではGCで分離された化合物に電気的なエネルギー(電子の衝突による運動エネルギー)をかけると、イオン化・分解(開裂:フラグメンテーション)して複数のフラグメントイオンや中性分子などが生じます。
トータルイオンクロマトグラム
フラグメントイオンの総和量を連続的にモニターすると、トータルイオンクロマトグラムが得られます。
トータルイオンクロマトグラムには横軸の時間に沿って、時には数百にものぼるほどの大小さまざまなピークが描かれています。このピークの一つひとつがGCで分離された化合物で、ピークの大きさはその化合物の量を反映しています。
MS(質量)スペクトル
一つひとつのピークの中身を見ていくと、化合物から分解・生成したフラグメントイオンの質量電荷数比と強度で表されたMS(質量)スペクトルが得られます。
分解の仕方は化合物ごとに固有なので、質量スペクトルを見ると、そのピークがどのような構造をもった化合物か解析できるのです。
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