香りの用語解説

随時、香りに関する用語解説を追加していきます。

> におい分析 ~GC-MSとAEDA~

におい分析
~GC-MSとAEDA~

におい成分分析の基礎技術。

におい分析 ~GC-MSとAEDA~

食品や花などのにおいは、数百もの揮発性の化合物の集まり(混合物)です。
におい成分の分析は、まずどのようなにおいの成分が含まれているのか? においに寄与している成分はどれなのか?
というところから始まります。

GC-MS

GC-MSは、Gas Chromatograph-Mass Spectrometer(ガスクロマトグラフ-質量分析計)、またはその手法Gas Chromatography-Mass Spectrometry(ガスクロマトグラフィー-質量分析法)の略称です。
GCは混合物を分離する装置、MSは化合物の構造を調べる装置で、カラムという細くて長い管によってつながっています。においの濃縮物をGCに注入すると、化合物ごとにカラムを通り抜ける時間に差が生じます。次々と分離されてくる化合物の構造をMSで解析します。
においの分析では、カラムをMSの手前で分岐し、一方を装置の外に出し実験者がにおいを嗅ぐGC-MS/スニッフィング(におい嗅ぎ)の手法をよく用います。MSでの検出と同時に人がにおいを嗅ぎ、どのようなにおいをもった、どのような構造の化合物が含まれているのかがわかります。

AEDA

AEDAは、Aroma Extract Dilution Analysisという分析方法の略称で、におい成分の絞り込みを行います。
においの濃縮物を溶媒などで2倍、4倍、8倍…と一定の倍数で希釈し、それぞれをGCに注入・測定し、においを嗅いでいきます。希釈倍率が高くなると嗅ぐことができるにおいの数は少なくなります。においが嗅げなくなった直前の希釈倍率をその化合物のFD(Flavor Dilution)値といい、その値が大きいほど、元のにおいに重要な成分であるということになるのです。

においの分析には、機器と人の鼻がともに重要なのです。GC-MSとAEDAの仕組みなどは、改めてご紹介します。

© T.HASEGAWA CO., LTD. / HASEGAWA LETTER online
-hasegawa-letter.com

他の用語を知る

記事を読む