水面の桃源郷「スイレン」
~幻想的な美しさを際立たせる香りに触れて~
- < 3分でわかる解説 > 水面の桃源郷「スイレン」
- スイレン(睡蓮)は初夏の水面をカラフルに彩る水生植物として知られ、そのはかなくも神秘的な姿に多くの人が魅了されている。夜に花を閉じ、朝には再び開花する、その珍しい習性をもつスイレンと人類との歴史は古い。古代文明においてはその生態に復活と再生を繰り返す神の存在を重ね、神聖な植物として親しまれていた。さらにその香りは神に活力を与える供物として捧げられたり、庶民も飾って香りを楽しんだりと、一種のアロマセラピーの役割も担っていたという。現代でも公園などでスイレンを見かけ、シーズンにはにぎわいを見せているが、なかなかその香りを間近で体感することは難しい。香料会社の一員として筆者もいつか嗅いでみたい…その思いをかなえるべく研究に着手した。
スイレンは原産地の違いから熱帯性と温帯性に大きく分類され、花色や香り、開花の様子などもそれぞれ異なっている。そこで今回滋賀県にある水生植物公園みずの森のご協力のもと、熱帯性および温帯性スイレン数十種類の官能評価を行い、そのうち数種類について詳細な香気分析を実施した。その結果、各スイレンの共通成分や特徴的な成分を明らかにすることができた。今回の研究結果をもとに当社の再現香料aroma CAPTURE® シリーズとしてスイレンの香りを新たに開発した。
